祇園暴走事故 半年 「もう二度と」一念届いて

2012/10/15

朝日新聞 2012年10月13日 朝刊

京都・祇園で通行人19人が暴走する軽乗用車にはねられ、死傷した事故から12日で半年を迎えた。この日早朝、事故現場では近くの寺の僧侶が犠牲者を悼んでお経を唱えた。京都府警は詰めの捜査を続けるが、軽乗用車の運転手は死亡しており、事故原因の全容解明への壁は高い。

(中略)

京都府警は年内にも、京都・祇園の暴走事故で軽乗用車を運転し、死亡した呉服雑貨店勤務の藤崎晋吾容疑者(当時30)=京都市西京区=を被疑者死亡で書類送検する方針。ただ、事故原因は最終結論に至っていない。複数の専門医から意見を聞いており、自動車運転過失致死傷容疑などを視野に捜査を続けている。

捜査関係者によると、藤崎容疑者はてんかんと診断され、医師から運転しないよう再三注意されていた。しかし、本人が死亡し、運転中に発作が起きたかどうかも解明されておらず、事故との因果関係はわかっていないという。

また府警は、藤崎容疑者が9年前のバイク事故で頭部を損傷した点に着目、感情や行動を制御できなくなる高次脳機能障害を発症し、運転中にパニックになったとみて調べた。しかし、生前に同様の症状がみられず、暴走に影響した可能性は低いとみている。

府警は現場検証や関係者の聴取などの基礎調査はほぼ終えた。今後は専門医の意見を反映させたうえで、年内をめどに最終的な結論を出す方針だ(岡野翔)