
お子様連れで、どうぞ傍聴に 地方議会 広がるバリアーフリー
朝日新聞 2015年4月5日
暮らしに身近な問題を話し合う地方議会。議論の内容が気になるけれど、幼い子どもを連れて行くのは気が引ける、障害があって声を聞き取れない、そんな人たちも安心して傍聴席に足を運んでもらおうという取り組みが、各地の地方議会で広がっている。
島根県出雲市議会は昨年3月、無料の託児サービスを始めた。本議会のほか、議案などを詳しく審査する委員会を傍聴する時も利用できる。希望日の1週間前までに申し込みが必要。「落ち着いて傍聴できます」--主婦の潮有理香さん(35)はこれまで3回利用した。2年前に子どもの医療費無料かが話し合われた委員会では、1歳だった次女が傍聴席で立ち上がると、退室を求められた。別の日は入室さえ認めてもらえなかった。潮さんは「子を持つ親も傍聴に行きやすくなり、市民が何に関心を抱いているか、議員にも分かってもらえる」と話す。
福岡市議会は2004年、本会議の傍聴席の一角を仕切った貴賓室5席を防音化し、乳幼児を連れた人も利用できるようにした。11年には拡張工事をして授乳用スペースとベビーベッドを設置し、長時間の質疑も傍聴できるようにした。年間10組前後が利用するという。議会事務局の担当者は「より多くの市民に議場へ足を運んでもらい、関心を高めてもらうきっかけになれば」と期待する。
補聴器に音声を伝送 手話通訳者付き添い
障害のある人たちに安心して傍聴してもらう取り組みも広がっている。
東京都狛江市議会は13年、本会議場の傍聴席の床に磁気ループを敷設した。音声を磁波に変えて補聴器に伝える仕組みで、難聴の人も広い議場の音をクリアに聞き取れる。その1年前、難聴の女性が連れてきた要約筆記者が、議会独特の用語の記述に苦労したという話を市議が聞いたのがきっかけだ。
堺市議会は、本会議で手話通訳者や要約筆記者が傍聴に付き添う無料のサービスを行っている。
そのほかの主な取り組みとして、茨城県議会では本議会のインターネット中継で手話通訳を導入、品川区議会では親子ルームの整備および本会議場に磁気ループの設置、、滋賀県長浜市議会では車椅子用の昇降機を設置、鳥取市議会では点字による請願や陳情の受理、がある。





