手話通訳で政見放送を 秋田県聴力障害者協会

2014/12/12

朝日新聞デジタル 2014年12月12日

 14日の衆院選投開票を前に、耳の不自由な人に政見放送の内容を知ってもらおうと、県聴覚障害者協会は10日、秋田市で手話通訳付きの「政見放送集会」を開いた。

 政見放送の録画再生に先立ち、手話通訳者が参加した約40人に「集団的自衛権」や「TPP」などの普段あまり使わない言葉の表し方を説明。録画したDVDは、各党が放送局に持ち込み放映したものを、県選挙管理委員会が提供を受けて貸し出した。

 放映後、秋田市の会社員(30)は「字幕だけではすべての内容がわからないが、手話のおかげで内容をつかむことができた」と語った。

 県障害福祉課によると、県内の聴覚障害者数は4312人(3月31日現在)。協会の加藤薫事務局長(60)は「耳の聞こえない人にとって、手話通訳がないと別世界にいるようなもの。聴覚障害者の参政権を保証するために、政見放送に手話通訳と字幕を義務化してほしい」と手話で話した。