自閉症や発達障害の人への、災害避難所での支援

2011/03/15

PDF版はこちら「自閉症や発達障害の人への、災害避難所での支援」(61KB)

自閉症の人の中には知的障害をもつ人もいます。その状態によって支援の中身や方法は工夫が要ります。
知的障害のない自閉症や発達障害の人は、一見異常がないように見えるかもしれませんが、
支援が必要です。

◆自閉症・発達障害の人の特性と留意点

  • コミュニケーションが難しい→(ことばが出る人でも)困っていることを伝えられない。
  • 人との関係をうまく取れない→集団行動をとりにくい、避難所になじめない
  • 変更に弱い→予定の変更や、場所の変更を受け入れられない、避難所になじめない
  • いつもと違う状況で不安になる→大きな声を出したり、飛び跳ねたりするかもしれません。
    また、パニック状態になることがあるかもしれません。

◆支援の具体的な例

1.予定(スケジュール)が変わる時
まず今の予定表を、目に見える表にして確認します。文字や絵で予定(スケジュール)を示して
あげると理解の助けになります。その上で、その予定のどの部分が、いつ、どのように変わるかを、
切り貼りしながら伝えます。ことばで言うだけでなく、文字や絵、わかりやすい身ぶりで示すことが
有効です。
変更があってどのようになるのか、見通しをもてるようにすることが大事です。

2.場所を変わる時
予定が変わる時と、基本的に同じです。

3.食べ物・飲み物など欲しいものを選ぶ
こだわりがあり、限られたものしか受け付けない人が一部います。家族と相談しながら実物を示して、
ほしいものを選んでもらってください。本人が試しに手に取ったり、味見することが
思わぬ発見になることがあります。
避難所では選ぶ余裕などないでしょうが、新しい資材が入った時に根気よく試してみてください。
見た目や香辛料がちょっと違っただけで、受け付けることもあります。

4.仕切を作る
刺激が多すぎると混乱することがあるので、段ボールなどで仕切をつくってあげるとよいかもしれません。
大きな音や声、泣き声などが苦手なら耳当てが有効です。体育館などでは音が響きますが、
そうした音響は特に苦手です。

◆パニック状態になったとき

不安の表れです。まずその気持ちを理解し、寄り添う心がけが大切です。
気持ちを切り替えられるよう、支援します。場所を変えるとか、何か興味を引くものを示す、などです。
「だいじょうぶ」と落ち着いた声で短くことばをかけ、安全な場所に一緒に移動してください。
10分、20分と少し時間がかかります。何がパニックの原因(きっかけ)かを、理解することが大事です。
原因がほんの少し改善しただけで、収まることがあります。大きな声で、たたみかけるようにことばを
かけると、かえって混乱します。ことばの理解が難しい人はもちろんですが、落ち着いているときには
十分理解できる人でも、混乱しているときは通じない場合があります。

◆自閉症については以下のサイトで詳しい情報が得られます。

「日本自閉症協会」