ひと 書体もユニバーサルに UDデジタル教科書体を開発した 高田裕美さん

2026/03/20

朝日新聞 2026年2月17日

弱視や読み書き障害がある子どもの読みやすさを追求した書体を開発した。Windowsの標準フォントにもなり、学校現場を中心に広く使われる。

美大卒業後書体デザイン会社へ。2006年にUDフォントの開発を始めて1年後、意見を求めた研究者に「当事者から話を聞いていますか?」と指摘された。様々な見えにくさのある人がいる現場をまわった。

線の細い部分が見えにくく、文字全体を捉えにくい子がいる。ゴシック体には手書きと異なる文字がある。例えば「山」は3画だが4画に見える。先生が修正液で直していた。世の中には多くの書体があるのに、「社会の穴」だと思った。

描く際にお手本となり、読みやすい書体をめざし、試作開始から8年後にリリースした。ある子どもの「これなら読める。俺、バカじゃなかったんだ」という発言を伝え聞き、胸が熱くなった。

昨秋、小学生向けに「私は書体デザイナー」を出した。「普段目にしている書体から、多様な人々の存在を知ってほしい」。