
後見利用で失職 どう判断 「欠格条項」最高裁18日判決
朝日新聞 2026年2月16日
「成年後見制度」を使う人は、警備業の仕事に就けない。警備業法の「欠格条項」により、職を失った岐阜県の30代男性が国を訴えた訴訟で、最高裁大法廷が18日に判決を言い渡す。
1月14日、最高裁の裁判官15人が並ぶ大法廷の弁論で、男性は「仕事を辞めなければいけないのはおかしいし、腹が立つ」と訴えた。男性には軽度の知的障害がある。2014年から警備会社で交通誘導などの仕事を始め、やりがいを感じていた。しかし、先々の財産管理のために2017年、成年後見制度の「保佐人」をつけたところ、退職を強いられた。
自分と同じような人がいるはず、男性は福祉サービスの関係者を通して弁護士に相談し、国に100万円の賠償を求めて提訴した。2019年には警備業法のほか国家公務員法など約180の法律に遭った欠格条項が削除されたが、男性は国の責任を明らかにしたいと裁判を続けた。
岐阜地裁は2021年、欠格条項は違憲と判断、国に10万円の賠償を命じた。名古屋高裁も2022年に違憲と認め、賠償額を50万円に増額した。国が上告した。
男性側は、欠格条項は憲法22条が保証する「職業選択の自由」や14条の「法の下に平等」に反すると主張してきた。国側は、人の命や財産を守る警備業に就く人には適切に判断できる能力が必要なため「規制は合理性がある」と反論し、憲法違反ではないと訴える。
国が賠償責任を認めるかも焦点だ。男性側は、国会には長期にわたり憲法違反の欠格条項を放置した「立法不作為」の責任があると主張。国側は、条項の違憲性は明白といえず、必要な法改正も怠っていないとして賠償責任はないと訴えた。欠格条項が違憲とされれば、最高裁が法令の規定を違憲と判断した戦後14件目となる。





