障害あってもなくても 投票行こう 「せんきょのことば辞典」完成

2025/07/14

朝日新聞 2025年6月20日

知的障害がある人、ない人が力を合わせ、選挙や政治にまつわる言葉をわかりやすく解説した「せんきょのことば 選挙学習小辞典」をつくりあげた。全国の障害者らに活用してもらい、自ら投票する喜びを広げたいという。

辞典は約240ページで、選挙や政治に関わる言葉約170がひらがな表記の「分かち書き」で解説されている。民主主義、基本的人権、国民主権などの解説や、選挙で投票するまでの手順、どのようにすれば候補者の公約を知ることができるかなども紹介している。

辞典づくりには、東大阪市の社会福祉法人「創思苑」が運営する事業所で働いたり暮らしたりしている知的障害のある当事者らが携わった。創思苑では2023年から候補者の公約を調べて模擬投票をするなどの勉強会を続けてきた。提案したのは、元関西医科大准教授の菅谷泰行さん。障害者の暮らしや人権に直結する選挙を通して社会参加し、自分で考え、選ぶ喜びを知ってほしいとの思いからだ。2023年の東大阪市長・市義選、2024年の衆議院選などには実際に投票に行った。創思苑の担当者は、自分で考えて一票を投じるメンバーは「堂々と充実した表情」だった、「機会があれば当たり前にできることなのに、できてこなかった現実を考えるようになった」と話す。

もっと多くの人が投票に行きやすくするには…と考えて始めたのが辞典づくりだ。菅谷さんが文案を考え、メンバーが意見を言う。力を合わせて考え、修正していった。菅谷さんは「『やさしいことば』は障害のない人が一方的に与えるのではなく、ともに作り上げるもの」と話す。メンバーの豊田瑛一さん₍41₎は「大変やったけど、すごい本ができた」と言う。

辞典は創思苑のホームページで公開している。

5月からは他地域の障害者らの団体と一緒に、辞典を使って選挙について学ぶ取り組みも始めた。メンバーの梅原義教さん₍50₎は「全国にこの本を配り、(障害のある人が)投票できるようになったらいいなと思う」と話している。