

発達障がいの特性 自ら説明しよう 春から大学生になる君へ
朝日新聞 2025年3月17日
発達障がい者向けのツール開発や企業のインクルーシブデザインを支援する合同会社「Ledesone₍レデソン₎」の代表、常岡大祐さん₍27₎に、発達障害のある人たちが、大学などに入学後つまづかないようにするために、今から心がけるべきことを聞いた。
大学の生活はマルチタスクが求められる。履修登録に始まり、自分で管理しないといけないことが多いが、注意喚起してくれる人がおらず、休学や留年になる人も少なくない。
常岡さんは、学習障害₍LD)、注意欠如多動症(ADHD)と診断されているが、特性を痛感したのは大学入学後で、苦労したという。
物事を整理するのが苦手な人は、入学式前に担当教員や支援センターに相談し、履修登録からフォローしてもらう方がいい。常岡さんは、理解してもらえない教員には、支援センターを通し学長室から合理的配慮を働きかけてもらったこともある。
自分の特性をよく分析し、相手にきちんと説明できるようにしておくことも重要だ。不安な人は「自分の取説」などを作ってみるのもよい。苦手なことの代替手段を自分で考えて求められる人間になってほしい。
毎日の授業、教室、持ち物、評価方法などを忘れないようアプリを使ったり、同じ学科や学年の学生のSNSグループで情報交換することも必須だ。スマートフォンやスマートウオッチ、SNSやアプリなどで対応できることもたくさんある。
常岡さんは、大学3年になる直前に事業主になり、2019年から発達障害の人に役立つアイデアを形にするイベントを続けている。ここまで支えてくれたのは、多くの人のコミュニティーだ。発達障がいがあっても恥ずかしがらず、リアルな人のネットワークを広げることも大切だ。いまから準備をして充実した学生生活を送ってほしい。