強制不妊、初の和解 最高裁判決後 国、1650万円支払い 東京地裁

2024/08/17

毎日新聞 2024年8月1日

旧優生保護法下で不妊手術を強いたのは憲法違反だとして、脳性まひがある西スミ子さん₍77₎が国に損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁で31日、和解が成立した。国が和解金1650万円を支払う。2019年以降、全国12地裁・支部に提訴した一連の訴訟で和解が成立するのは初めて。

西さんの代理人の関哉直人弁護士によると、西さんは体調不良で17日の首相との面会に参加できなかったため、早期解決が必要だとし、優先して弁護団が国側と協議を重ねていた。和解金額について関哉弁護士は「後続訴訟に不利にならないよう高い額を目指した」と述べた。

オンラインで開かれた報告集会で、西さんは「今日はとてもうれしい。皆さんのおかげです」と話した。

政府は29日、全閣僚による対策推進本部の初会合を開催。岸田首相は偏見や差別のない共生社会実現に向け、行動計画を策定を表明し、和解に向けた基本合意の締結を急ぐよう指示した。