強制不妊 原告に首相謝罪 「除斥期間」主張を撤回

2024/07/30

朝日新聞 2024年7月18日

旧優生保護法下で障害のある人たちに不妊手術を強制したのは違憲と断じた最高裁判決を受け、岸田首相は17日、原告らと首相官邸で面会し、「政府を代表して謝罪を申し上げます」と述べた。係争中の訴訟について「除斥期間」の適用を求めてきた国の主張を取り下げる考えも表明した。これにより、多くの訴訟は和解に進むとみられる。政府による救済がようやく実現へ動き始めた。

首相は、「約48年間、少なくとも2万5千人もの方々が重大な被害を受けるに至ったことは痛恨の極みだ」と述べ、「政府の責任は極めて重大だ。心から申し訳なく思っている」と頭を下げた。そのうえで、新たな方針として、除斥期間の主張の撤回▽訴訟外の人を含めた幅広い保証▽配偶者の苦痛も視野に補償を検討▽優性思想や障害者への偏見、差別の根絶に向けた全省庁による新体制の構築--などを表明。超党派の議員連盟と調整し、早ければ秋の臨時国会で関連する議員立法の成立を図る方向だ。