小中学生が訴えた「手話」で学ぶ権利 札幌地裁が原告側の請求棄却

2024/06/19

朝日新聞デジタル 2024年5月24日

聴覚障害がある札幌聾学校の小学生ら2人が幼いときから使ってきた日本手話で授業を受けられなかったのは違法だとして道に損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は24日、原告側の請求を棄却した。

原告側は、独自の文法体系を持つ「日本手話」で授業を受けられず、学習権を侵害されたなどと訴えていた。判決は、日本手話で教育をける権利は、具体的な事例として憲法で保障されていないと判断。日本語文法に沿った「日本語対応手話」は一部の語彙が日本手話と同じなので、差別にはあたらないとした。また、言語は人格の一部を構成し、尊重すべきだとしながらも、公権力に対し、特定の言語での授業を求めることが重要とまでは言い難いと指摘、学校側が入学前に日本手話を軸に事業をすると説明した証拠もないとした。