強制不妊法廷 障害ある原告に配慮 最高裁 やりとり 筆記や手話で

2024/05/27

朝日新聞 2024年5月17日

旧優生保護法下で不妊施術を強制されたのは憲法違反だとして、障害者らが国を訴えた訴訟の上告審で、最高裁は16日、原告らが傍聴しやすいよう法廷内外で様々な対応をすると明らかにした。

各地で提訴された5件の訴訟で、最高裁大法廷は29日、当事者双方の意見を聞く弁論を開くに当たり、原告側と協議していた。法廷内に6台の大型モニターを設置し、やりとりをリアルタイムで映すほか、傍聴席向けの手話通訳も配置する。傍聴席には、通常2人分の車いすスペースを、10人分確保する。法定外でも、筆談ボードなどを携えた裁判所職員や手話通訳者を配置し、傍聴希望者の抽選、所持品検査、誘導などを行う。

裁判所がこうした配慮措置をとるのは異例。最高裁は「大法廷までの動線が複雑であるなどの特性を踏まえて手配した」としている。