発達障がいのある受験生へ 学生がアドバイス  大学に入ったら 相談相手まず見つけて

2024/02/01

朝日新聞 2024年1月30日

注意欠如・多動症(ADHD)、学習障がい(LD)、自閉スペクトラム症(ASD)傾向と診断され、学習や人間関係に悩んだ経験を本にした、帝京大法学部3年の西川幹之佑さん(21)に聞いた。

大学は自由な分、自立も求められる。書類提出、ガイダンス参加、など自分で判断してやらなければならないことがたくさんある。特に戸惑ったのは履修登録。頭の中で整理することが苦手な人や、忘れやすい特性がある人は、最初から疲れてしまうかもしれない。だから、親以外に相談できる相手をできるだけ早く、多く見つけることが重要になる。僕はあいさつを大切にし、そこから関係を作るようにしている。

今年4月から、改正障害者差別解消法が施行され、私立大学にも合理的配慮が義務づけられる。各大学の障がいがある学生のための支援センターでも、先生でもいいので、早い段階から恥ずかしがらずに「自分は発達障がいでこういう特性があり、こういうことが苦手だから、こうしてほしい」と交渉できるかどうかで大学生活はかなり変わる。僕は、1年生前期は、レポートの書き方を間違えていたりで、履修科目の約半数の単位を落とした。聴覚過敏など、特性によっては合わない形態の授業もある。だから、学期ごとに先生に相談に行くようにした。あとは、同じ趣味の仲間を作ることだ。僕は、同好会の先輩や友達から詳しい情報を事前に集めるようにし、とても助けられている。

もし複数の大学や学部学科に合格したら、偏差値だけで進学先を選ばず、「卒業できる大学」という視点も入れて選ぶことをすすめる。入学後の大学生活で何ができるかもイメージして情報を集めるとよい。