旧優生保護法訴訟、最高裁大法廷で審理 国の賠償責任や憲法判断

2024/01/12

毎日新聞 2023年11月1日

旧優生保護法下で不妊手術を強制されたとして、被害者が国に賠償を求めた5件の訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷は1日審理を大法廷に回付した。

全国12地裁・支部に起こされた同種訴訟では、1,2審判決の大半が旧法を違憲とする一方、国の賠償責任を認めるかは判断が分かれている。大法廷は来年にも旧法の憲法適合性と賠償責任の有無について統一判断を示す見通し。

原告弁護団によると、提訴したのは計38人。これまでに地裁で10件、高裁で7件の判決が出ている。計17件のうち15件は憲法に違反するとした。一方、国の賠償責任については、不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用するかが焦点となっている。除斥期間の適用制限は、過去の最高裁で2件しか認められていない例外的な判断で、最高裁でも争点になりそうだ。

全国優生保護法被害弁護団の新里宏二共同代表は「国はこれまで旧法の違憲性を認めてこなかった。大法廷が違憲性を判断してくれれば、救済に向けて大きく前進するだろう」と話した。