発達障害は「わがまま」? 1~4

2023/06/27

朝日新聞 2023年6月15,16,19,20日

発達障害の人の働く場での合理的配慮を巡り、当事者と雇用主の間の話し合いがうまく行かない事例は少なくない。互いに納得できる職場にするにはどうすればよいのか。専門家2人へのインタビューを紹介。

1,2は放送大学の川島聡教授(障害学)に、3,4は発達障害の人の就労を支援する企業「Kaien」法人担当ディレクターの大野順平さにインタビューしている。

1は、働く場の「合理的配慮」とは、というテーマ。2016年に施行された改正障害者雇用促進法は企業に可能な範囲で対応する「合理的配慮」を義務づけている。川島氏は、合理的配慮とは「バリアフリー」で、社会にある様々な障壁を取り除くことだという。障害者本人から依頼や申し出があった場合にバリアーを取り除くのが合理的配慮で、個々人の希望に応じてというところがポイントだ。合理的配慮はわがままへの対応ではなく、法律が機会の平等を保障するためのものだ。話し合いによって解決できた方がいいが、法律があると闘うことも可能だ。社会が変わることにつながるという意味で、紛争は重要な営みといえる。

2は、「合理的配慮」を進めるには、のテーマ。立場の弱い人に我慢を強いるのではなく、社会的な障壁を取り除くことで実現することが重要。会社は当事者の主張をまずは受け止め、どう障壁を取り除いていくか一緒に考えなければならない。職場での合理的配慮を考えるとき、「事柄の本質をみる」ことも重要。職務の本質と周辺部分をしっかり区別し、周辺部分は合理的配慮の対象となる。何が本質かを考えていくと、合理的配慮を突破口に、無駄なルールや慣習を見直すという発想がうまれる。

3は、会社はどう配慮する?

4は、採用後にわかったら力発揮できる方法、共に考える