強制不妊、仙台も賠償命令 「除斥は不公平」 地裁3例目

2023/03/25

毎日新聞 2023年3月7日

旧優生保護法(1948~1996年)下で不妊手術を強制されたとして、宮城県内の男性2人が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は6日、旧法を違憲と判断し、国に計3300万円の賠償を命じた。

全国11地裁支部の同種訴訟17件のうち、1審判決は10件目。原告勝訴は熊本、静岡に続き3例目。2審では、東京、大阪高裁が不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用せず国に賠償を命じ、いずれも国が最高裁に上告している。

判決は強制不妊手術について、子をもうけるかどうかの自己決定権を侵害し、幸福追求権や法の下の平等を定めた憲法13条14条などに反すると指摘。争点となった除斥期間の適用については「国は対象者が手術内容や実施主体、根拠などを認識することが困難な仕組みの下で手術を実施した。原告は、損害賠償請求権の行使の前提となる情報や相談機会へのアクセスが著しく困難な状況に置かれていた」とし、「20年で国が損害賠償義務を免れるのは、著しく正義・公平の理念に反する」と結論づけた。

全国被害弁護団共同代表の新里宏二弁護士は国敗訴が続く状況を踏まえ「首相が被害者と面会して謝罪し、政治としてきちんと解決すべきだ」と話す。原告の男性は「これからは胸を張って仕事を頑張れます」と話した。