脳性まひ補償外に救済案 厚労省 2000人へ最大600万円検討

2022/12/14

朝日新聞 2022年11月17日

出産で赤ちゃんに重度の脳性まひが生じた場合、3千万円が支払われる「産科医療保障制度」をめぐり厚労省は、保障されていない約2千人に救済金を出す検討に入った。年末までの来年度予算編成で決める。

この制度では生まれたのが2015~2021年か、2022年以降かで保障対象基準が異なる。2021年までの旧基準には「個別審査」の手続があり、基準を満たす必要があった。しかし旧基準は医学的に不合理だったとして、今年以降から新基準に移行。これに対し、旧基準で対象外とされた子をもつ親らが救済を求めていた。

厚労省が検討する救済対象は、約2千人にのぼるとみられる。救済金は、産科医療保障制度で支払われる一時金600万円と同額とするか、旧優生保護法で支払われた一時金320万円と同水準にする案も出ている。親らは、本来制度が保障するのと同じ3000万円を求めており、金額に大きなギャップがある。政府・与党は調整が求められる。

この制度は、出産育児一時金の一部が掛け金とされている。政府は来年度から出産育児一時金を引き上げる方針を示しており、救済金額についてもあわせて決定する見通しだ。