出生前検査 窓口3.5倍に 日本医学会 地域のクリニックも認証

2022/09/15

朝日新聞 2022年9月13日

妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる出生前検査(NIPT)について、日本医学会の委員会は12日、地域の産婦人科クリニックなど178施設を「連携施設」に、26施設を「暫定連携施設」に認証したと発表した。検査できる施設が一気に3.5倍に広がった。

連携施設のクリニックは、一定の研修を受けた産婦人科医が常勤し、基幹施設や小児科医と協力して遺伝カウンセリング(以下、カウンセリング)を提供する体制が整っている。検査で陽性となった妊婦には原則、基幹施設の専門家が対面やオンラインで行う。暫定連携施設には周産期専門医が常勤しているが、検査前後のカウンセリングは、原則基幹施設の専門家が説明する。

今回認証された施設での実施は9月26日から。医療機関名は、週内に委員会のHPで公開される予定。

NIPTは、検査の特性や結果の解釈について、丁寧なカウンセリングが必要とされる。そのため、旧制度では産婦人科医や小児科医が常勤し、どちらかが臨床遺伝専門医であるなど、地域のクリニックが認められるには高い壁があった。しかし、妊婦の血液だけで検査ができる手軽さから、学会が認めていない施設が検査をするようになった。そうした施設の一部では、陽性結果に対する説明が十分されず、妊婦が戸惑うケースがあった。

認められていない施設での検査を減らすため、条件を緩和し認証施設を増やすねらいで新指針が策定された。今後は、母子手帳交付時などに検査について知らせ、認証施設での検査を促していく。