人前で話す自信を付けて 夢に挑戦できる社会を目指す  吃音の若者がカフェ

2022/08/23

大阪日日新聞 2022年7月22日

吃音の若者が店員として働く1日限定のカフェが各地で開かれている。吃音の若者に自信を付けてもらい、社会にも理解を広めていくのが目標だ。

6月には富山で開かれた。店員の若者4人のマスクには、「たくさんの人と話したいです」「最後までお話を聞いて下さい」など、希望が書いてある。同じ吃音でも悩みは一人一人違い、相手に望むことも違うという。注文をとるときに言葉につまる場面もあったが、4人とも楽しそうにお客さんとしゃべっていた。その一人で高校三年生の中沢仁成さん(18)は「これまで人との会話をできるだけ避けてきたけれど、今日は楽しいと思えました」と笑顔で振り返った。約40人が来店。若者の悩みをじっくり聞く人も。お客の一人は「一人一人に寄り添って吃音を理解することが大切だと思った」と話していた。

カフェを企画したのは、東京都の奥村安莉沙さん(30)。自らも吃音があり、小さいころ「体に触るとうつる」などと誤った理由でいじめられたこともあったという。カフェの店員になるのが夢で、吃音でも楽しく働ける店を作りうと考えた。

今後は長野県佐久市や宮城県仙台市でも開店する予定。東京都世田谷区では小学生も参加できるイベントを計画している。奥村さんは「吃音のある若者が、本当にやりたいことをあきらめずに挑戦できる社会を目指したい」と語る。