点字ブロック1枚なし 全盲女性の死亡事故現場

2022/05/08

大阪日日新聞 2022年4月30日

奈良県大和郡山市にある近鉄橿原線の踏切で、全盲の女性が特急電車と接触して死亡した事故で、直前に女性が通った踏切前の道に設置されていた点字ブロック4枚のうち、1枚がなくなっていたことがわかった。県警は、女性が踏切内に立ち入ったことに気付かず、奥の遮断機を手前のものと勘違いして引き返そうとして事故にあったとみており、経緯を調べている。

点字ブロックは1辺が30センチの正方形で、本来は前後2枚ずつ、計4枚が設置されていた。残っていた3枚も一部が経年劣化などで欠損した状態だった。市によると、点字ブロックは15年ほど前、目の不自由な近隣住民の要望を受け市が設置したが、ここ10年ほどは点検をしていなかった。担当者は「欠損などがあると日常的に利用している人から連絡が来るため、それを受けて修理するが、連絡がなかったため点検していなかった」と話した。

今後、地元の障害者団体と適切な点字ブロックの設置について協議するという。