舞台俳優自ら観劇支援 有志団体が障害者サポート

2022/03/30

大阪日日新聞 2022年3月8日

視覚や聴覚に障害がある人の観劇をサポートする取り組みが広がる中、劇団の枠を超えた有志による団体「舞台ナビLAMP」が設立され、舞台俳優自らガイドを務めるなど、新たな支援の形が注目されている。

1月に東京芸術劇場で上演された劇団青年座の舞台「ある王妃の死」。視覚障害の人が来場すると、作品の背景や俳優の情報を音声で紹介するFMラジオを提供、青年座の俳優が「ガイドナレーター」として場面転換や役者のしぐさなどをリアルタイムで伝える。利用した人は「説明の分量がちょうどよい加減で、情景が思い浮かびやすかった」と笑顔。「ガイドナレ-ター」を務めた俳優は、「適格かつ端的に伝えるのは難しいが、舞台の世界観を壊さないように努めている」と話す。聴覚障害のある人には、担当者が進行に合わせて字幕を提供する。

LAMPは、都内の4つの劇団などから約10人が集まって昨年末に設立。オンラインでも対応が可能なため、遠隔地で上演される舞台の観劇支援も行う。

青年座では2020年から観劇サポートが始まり、開演前の事前舞台説明会なども行っているが、LAMPの鯨エマ代表は「サポートがあること事態がまだ十分に知られておらず。支援体制も整っていない」と指摘。LAMPのサポートの仕組みは「障害のある人だけでなく、高齢者や外国人にも適用できる」という。「同業者とタッグを組んでサポーター仲間を増やし、支援の輪を広げたい」と話す。

日本障害者舞台芸術共同機構(大阪市)の南部代表理事は「移動支援や情報提供の他、劇場関係者とのコミュニケーションも大切。障害者にとって縁遠かった劇場が安らぎの場になれば」と話し、「だれもが楽しめる多様性を意識した舞台づくりを進めて欲しい」と期待を寄せる。