
「20年の壁」越える 「正義に反する」除斥期間の例外認定
朝日新聞 2022年2月23日
非人道的で差別的な旧優生保護法の下で不妊手術を受けた人の訴えに対し、法律上の解釈を画一的に当てはめるべきではない、との判断を示し、原告側の逆転勝訴を導いた。「著しく正義・公平の理念に反する」として除斥期間の適用を制限した判決に、当事者から喜びの声が上がった。
これまでの判決で壁となってきたのが、損害があっても20年を過ぎると賠償を求める権利が消える「除斥期間」だった。国側は、不妊手術を受けた時点を起算点とし、40年以上経ってから訴訟を起こした原告らの賠償請求権は消えているとして、請求を退けるよう求めていた。大阪高裁判決はまず、除斥期間の起算点について、旧法が改正され不妊手術の規定が削除された1996年9月とし、原告らは20年以上経ってから訴訟を起こしたと認めた。ただ、除斥期間は例外を一切許さないものではないと指摘。旧法の存在と国の施策が、不妊手術の対象となった障害や疾患を巡る差別や偏見を正当化・固定化し、助長してきたことは否定できず、原告らが相談する機会や情報へアクセスするのが難しくなったとした。その上で、一定の条件を満たせば6ヵ月間、時効が停止する民法の規定を踏まえ、同種訴訟の提起を知ってから6ヵ月以内に提訴した原告らについては、除斥期間の適用は制限されると結論づけた。
北海学園大学法科大学院の松久三四彦教授(民法)は、「原告らを何とか救済したいとの思いが表れた判決。除斥期間を厳格に捉えたこれまでの判決から大きく前進した」と評価。一方で、「同種訴訟の提訴を知ってから6ヵ月以内という枠組みでは、各地の原告や提訴していない被害者の救済につながらない可能性がある」と話す。





