アプリで簡単 難聴補正 聴覚サポートイヤホン コンサートで実証実験

2021/10/18

大阪日日新聞 2021年9月21日

 国内の難聴者は約1500万人、加齢が主要因で、軽度から中度難聴が8割を占める。

 スタートアップ企業「オリーブユニオン」(東京・オーウェン・ソン代表)は、スマートフォンアプリで「聞こえの最適化」ができる聴覚サポートイヤホン「オリーブスマートイヤー」を開発。15日、「住友生命いずみホール(大阪市)」の恒例ランチタイムコンサートで実証実験が行われた。右耳の聞こえの悪さを自覚している体験者は「すっきりした音が耳に入ってきた」と笑みを浮かべた。

 補聴器は医療機器で、医師の診断が必要で調整にも数日かかる。イヤホンは集音器の部類に入り、購入から装用まで5~10分。価格も補聴器の10分の1程度に抑えた。高品質のマイクを左右2個ずつ搭載、周囲の雑音をカットするノイズキャンセリング技術でクリアな音を届ける。スマートフォンにつなげ、アプリ上で好みの音量などを調整する。両耳タイプの新機種「オリーブスマートプラス」(販売予定価格19万8千円)では、新たに定額制サービスを導入した。

 聞こえの課題は精神的ストレスであると共に、脳への刺激が弱くなることから認知症外的要因の一つとされる。オリーブユニオンの越智典子さんは「軽~中度の難聴の人に使ってもらいたい」と話す。