ひと 奥村安莉沙さん=吃音をテーマにした米映画を字幕翻訳

2021/08/16

毎日新聞 2021年8月6日

 SNSで「マイ・ビューティフル・スタッター」の予告を偶然見つけた。吃音の子どもたちが支援団体のキャンプで自信をつけていくドキュメンタリー。「幼い自分が言ってほしかった言葉にあふれていた」

 小学生の頃から吃音に苦しんだ。「うつる」と避けられ、教師にも奇異な目で見られた。高校生の時に読んだ、ハンセン病をテーマにした小説、主人公は生きる意味を見いだそうとし「あるがままを受け入れれば生きていける」、目を開かれた。

 23歳で交際中の男性の故郷、オーストラリアに転居し、吃音が起きにくい発声方法を習得。結婚して3年前に帰国。どもらない話し方を保つためのリハビリをSNSで発信すると、「つらい」との当事者の声が寄せられた。「何かの役に立ちたい」との思いを強めていたときに上記の映画に出会った。制作会社が募集した翻訳ボランティアに応じ、広報も任された。5月に日本語版を完成させた。