障害ある子 生活制限に不安

2021/01/04

朝日新聞 2020年12月22日

 新型コロナウイルスの感染拡大による休校や生活の制限で、障害児とその家族が受けた影響について、北海道教育大学釧路校の特別新教育研究室が調査した。

 9月から10月にかけて、北海道、東京都、埼玉県の保護者から得た549人の回答を分析した。子どもは高等部が52%、小学部32%、中学部15%。障害は「知的障害のみ」38%、「知的障害と発達障害」23%、その他の重複障害が11%。

 休校中多く過ごした場所2カ所を尋ねると、1番目「自宅」の答えが78%、1,2番目のどちらかが「自宅」だと95%に上り、利用できる公的機関の少なさが浮き上がった。悩みや困りごとについては、「学習の遅れや理解度に不安」が22%と最多で、「進路や就職への影響が不安」17%、「人やモノとの接触が制限されることで状況把握が難しく、今後が心配」16%など。自由記述では「全盲ろうでプリントやネット利用ができず、対面授業が受けられないと学習ができない」という声もあった。

 家族の悩みは「子どもや自分が感染しても隔離生活できない」が60%で最多。学校再開後は「また休校になったらと不安」44%、「学校で感染が広がるのではと心配」41%など。

 学校への要望は「感染予防を徹底し、なるべく制限のない学校生活を」65%、国や行政へは「障害児専用の相談窓口や支援の充実」54%が多かった。小野川文子准教授は「障害児にとっての学校は命を支える重要な公的機関。安心して生活が送れる環境整備を進めていくことが重要だ」と話す。