新型出生前診断 認可施設増へ

2020/07/06

朝日新聞 2020年6月21日

 日本産科婦人科学会(日産婦)は20日、新型出生前診断(NIPT)について、小規模な医療機関でも受けられるように指針を改定したと発表した。新たな条件として、日本産科婦人科遺伝診断学会が主導する認定制度に合格した産科医がいる▽日産婦など4学会で作った説明文書を使う▽日本小児科学会が認めた小児科医と連携し、相談に応じられる▽検査実施前後に、自由に小児科医に相談できる窓口がある▽陽性だった場合に、遺伝の専門医がカウンセリングする仕組みがある―などを満たすこととした。全国で70カ所ほど認可施設が増える可能性があるという。厚生労働省に報告したうえで、正式に決める。

 NIPTは、妊婦の血液で、胎児にダウン症など3つの染色体異常があるかを調べる。国内では2013年に始まったが、人工中絶などの重い選択につながるため、日産婦などが定めた条件を満たした、大学病院など全国109カ所のみで認められてきた。しかし、無認可で検査をする施設が増え、判定結果だけを伝えて相談に応じない、この検査だけで診断が確定するわけではないことを伝えない、などトラブルも報告され始めた。日産婦は認可施設を増やす方針案を2019年3月に公表、これに対し日本小児科学会や日本人類遺伝学会が慎重な対応を求めていた。

 NIPTは原則35歳以上の妊婦が対象。認可施設で作る「NIPTコンソーシアム」の集計では、2019年3月までに約72500人が検査、うち異常が分かった妊婦約1150人の約8割が中絶した。