文化審議会 障「碍(がい)」者表記の常用漢字議論続く

2019/12/21

朝日新聞 2019年12月13日

 「碍」という字を常用漢字とするかどうか、国語の専門家からなる国の文化審議会で話し合いが続いている。障害者の「害」に替わって使えるように、とのニーズがあるが、常用漢字の基準にはそぐわないが、向き合うべき課題だと認識されており、新たな言葉への言い換え案も浮上している。案としては、「共助者」「共生者」「救援者」などが挙がった。

 当事者はどう受け止めているのか。95団体が加盟するNPO法人・DPI日本会議は、「障がい」や「障碍」とせず「障害」を使っている。佐藤聡事務局長は「障害者自身が差し障りをもたらす存在ではなく、社会にある障壁が障害者を作り出してきたとの考えに基づき、言葉を換えることに余り意味はない」と説明する。

 「碍」の常用漢字化を文科省に要望したNPO法人・日本障害者協議会(62団体加盟)の佐藤久夫理事は「選択肢を広げるべきだ」と話す。呼称の言い換えはこれまでの歴史から「非現実的ではないか」とみる。