ひと:聴覚障害者の法律相談を担う 松田 峻(りょう)さん(28)

2019/04/17

毎日新聞 2019年3月13日

 司法修習を終え、都内の弁護士事務所で3月から活動を始めた。聴覚障害があり手話で会話する、数少ない弁護士の一人として「聴覚障害者の権利を守りたい」と力を込める。

 自身は、高校から地元の学校へ進み、手話を使う機会がなかった。大学入学後、同じ障害のある先輩らが手話で会話しているのを見て、「手話を身につければ人の話がより深く理解でき、言いたいことも言える」と実感した。在学中、聴覚障害があり、手話を使う多門浩弁護士に出会った。法廷で手話を使って証人尋問する姿を傍聴し、「弁護士になれば『聞こえる』『聞こえない』に関係なく困っている人を守ることができる」との思いを強くした。

 所属事務所の後押しで週1回、聴覚障害者向けの法律相談会を開いていく予定だ。「周囲に迷惑をかけると考え、誰にも相談できない人がいる。障害で不利益を受けている人を助けたい」と意気込む。