ひと 吃音の苦しさやもどかしさについて本を書いたライター 近藤雄生さん(42)

2019/03/10

朝日新聞 3月6日

 外からは見えにくい吃音の苦しさや人間関係への影響を、本人や家族、友人、言語聴覚士ら約90人に取材し、「吃音 伝えられないもどかしさ」(新潮社)という本をまとめた。

 自信も吃音に悩んだ。ふいにのどが硬直して声が出なくなり、相手は「この人どうしたの」という顔をする。自己紹介や電話が怖かった。就職は諦め、海外を旅しながらライターとして生きることを決めた。「言葉が通じない国ならば吃音をごまかせるだろうと思った」

 中国にいた29歳の時、なぜか突然吃音が消えた。とてもまれなケースだと知った。「今苦しんでいる人が読むとつらいかもしれないが、いかに大変かを伝えることで、吃音があっても生きやすい社会になれば」と話す。