障害男性の請求棄却  大阪地裁 吹田市・地位確認訴訟 

2019/02/28

毎日新聞 2019年2月14日

 成年後見制度に基づいて保佐人をつけたことを理由に雇用を打ち切られたとして、吹田市の臨時職員だった知的障害のある男性が、職員としての地位確認と損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、大阪地裁であった。内藤裕之裁判長は雇用期間の満了が打ち切りの理由だと判断し、請求を棄却した。男性は控訴する方針。

 訴えたのは塩田和人さん(53)。保佐人がつくと公務員になれないとする地方公務員法の「欠格条項」が憲法違反だと主張したが、内藤裁判長は欠格条項の違憲性について判断しなかった。

 塩田さんは「残念な判決だ」と話し、控訴する意向。

 国や地方自治体では、欠格条項を見直す動きが広がっている。政府は昨年3月、地方公務員法など188の法律から欠格条項を削除する法案を閣議決定し、国会に提出している。兵庫県は明石市は2016年、後見や保佐をつけた人も職員として採用できる独自の条例を施行した。弁護団の長岡健太郎弁護士は「失職を恐れて成年後見制度を使えない公務員がいる。速やかに法改正してほしい」と訴えた。