「12歳で強制不妊」提訴 国に賠償請求 手術時最年少の女性

2019/03/03

朝日新聞 2019年2月28日

 旧優生保護法のもと、12歳頃に不妊手術を強いられ、憲法が保障する基本的人権を侵害されたとして、神戸市の脳性小児まひの女性が27日、国に賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こした。脳性まひの人による提訴は初めて。

 訴えた鈴木由美さん(63)は幼少期から車いすで生活している。1968年頃、母親らに連れられて病院に行き、何の説明もないまま不妊手術を施された。旧優生保護法は遺伝性の病気や障害、遺伝性以外の精神障害や知的障害がある場合、都道府県の審査会の決定などを条件に不妊手術を認めていた。鈴木さんは条件を満たさないが、条件が厳格に守られずに行われたケースの可能性がある。

 記者会見に臨んだ鈴木さんは「好きな人の子どもがほしくて、つらい思いをしてきた」「またこんなことが起きないように、顔と名前を出して訴えた」と語った。