教育の窓 子どもの気持ち 手話で学ぶ「明晴学園」/1 ~

2018/12/26

毎日新聞 2018年11月5日、19日

 東京品川区にある私立のろう学校「明晴学園」。幼稚部、小学部、中学部に計60人が通う。明晴学園の子どもたちを紹介する。

1 遠くても通う理由

 生まれつき耳の聞こえない佐藤那心(ともしん)さん(12)は、1年前大分から明晴学園に体験入学した。テレビで、同世代の子どもたちが手話で学び、手話で意見を交わす姿が紹介された。「先生は生徒がわかるまで説明しているな」興味がふつふつと湧いた。

2 「先輩」との交流

 前期終了を目前にした10月3日、小学部では川崎市にある、ろう者のためのデイサービス施設「ななのわ」から高齢者ら約20人を招き、交流会が開かれた。

 子どもたちはお客さんをもてなそうと数日前から準備していた。手の型から手話の単語を答える「手型ゲーム」や、ついたての裏でめがねやスリッパなどを取り替えて現れ、違う部分を探す「間違い探し」などの出し物も用意した。最初は表情が硬かった子どもたちも言葉を交わすうち笑顔が見られ出した。ゲームでは、手話という共通の言語で通じ合い、会は大いに盛り上がった。