わが子の学び ゆっくり確かに  ダウン症の少女「まこさんの成長」連載に反響

2018/10/24

朝日新聞 2018年10月14日

 「いま子どもたちは」の「まこさんの成長」(6月10日~20日)で描かれたダウン症のまこさん(中1)は、授業や部活にがんばっている。連載に寄せられた反響の中から、障害のある子どもたちの学びに関わる人たちを取材した。

 東京都の服部周君(7)の父剛さんは「成長していく過程のヒントを得ることができた」、母りえ子さんは「同じいまを生きている姿に、光と勇気、希望をいただいた」と話す。周君は生後すぐダウン症と診断された。詩作活動をしていた剛さんはこれまでの日々を言葉につづっていった。今年4月、35編を集めた「詩集 我が家に天使がやってきた」を出した。りえ子さんは学校から「卒業まで全力で守る」といわれ、心強かった。「周だからこそ出会える人や得られる気づきがある。この子でよかった」と思っている。

 算数を教える学習塾「遠山真学塾」(東京都)は小学生から30代まで約100人が通う。ダウン症を含め、学習に何らかの困難がある人が大半だ。主宰の小笠毅さん(78)は、まこさんが「これからどんな勉強をしていくかに興味を持った」と話す。30年以上前から障害のある子の教育に力を注いできた。障害があると社会で自立して生活する力が重視されがちだが、学習も「車の両輪」と考える。「学びは生きる力の土台になる」と話す。