ひと  知的障害者のスポーツを広める五輪メダリスト 有森裕子さん(51)

2018/09/24

朝日新聞 2018年9月22日

 知的障害者によるスポーツの祭典「スペシャル・オリンピックス(SO)」が22日、愛知県で始まる。アスリート出身で初の主催団体理事長に就いて10年になった。2002年に大会のサポート役を頼まれ、「わざわざ機会を作る組織がないと、スポーツをさせてもらえないのか」と驚き、役に立つならと快諾。

 求められた役割は活動の主眼を「福祉」から「スポーツ」に変えること。アスリートとして感じた疑問をぶつけ続けた。

 いま力を入れているのは、知的障害がある人とない人が一緒に参加する「ユニファイドスポーツ」で、13競技で実現した。競技関係者を増やせば、人材育成につながると期待する。誰もがあたりまえに社会に溶け込み、スポーツに触れられる未来を思い描く。