2030 SDGsで変える  障害者雇用 一丸で創る

2018/07/24

朝日新聞 2018年7月22日

 SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、国連が2016年に採択した。すべての国連加盟国が2030年までの達成を目指す、貧困や教育、環境など17分野にわたる目標である。SDGsには「誰も置き去りにしない」という基本理念がある。

 東京電力福島第一原発の事故で働く場を失った障害者のため、福島県の13の福祉事業所がまとまって約200人のための仕事を生み出した。SDGsの取り組みとして注目されたいる。震災後に障害者の交流の場をつくるためにできたNPO「しんせい」(郡山市)が動いた。事務局長の富永美保さん(54)は、事業所でまとまれば、仕事がつくれるのではないかと考え、仲間に呼びかけた。仕事は各事業所が取り組みやすいように焼き菓子作りを選び、「お金ではなく、商品として通用するための技術支援を」と日清製粉グループに協力を求め、社員が応えた。立ち上げ資金はNGOの「難民を助ける会」や「ジャパン・プラットホーム」などが提供した。ネット販売はヤフーが協力する。

 支援者や購入者らが年に一度集まる「けやきの会」には全国から約70人が参加、作戦会議の場にもなっている。

*同日紙面で、NPO「しんせい」事務局長の富永さんと、キャスター・国谷裕子さんの対談や障害者雇用に力を入れ管理職登用を進めるダイキン工業の取り組み、障害者雇用の現状についても紹介している