強制不妊手術 一斉提訴

2018/06/14

朝日新聞 2018年5月18日

 旧優生保護法のもと不妊手術を強いられたとして70代の男女3人が17日、国に総額7950万円の賠償と謝罪を求め、札幌、仙台、東京の各地裁に一斉提訴した。全国で少なくとも約1万6千人が手術を強いられており、訴訟の動きが広がっている。

 原告側は、不妊手術の強制は子どもを産むかどうかの自己決定権を奪い、違憲だと指摘。これまで国が救済を怠ってきたとして国家賠償法上の責任があると主張している。弁護団は「国に救済策を求めるための最後の手段」として電話相談を通じ、被害者の掘り起こしを続ける。訴訟を契機に超党派の議員連盟などが救済を国に働きかけており、国も実態調査に乗り出した。

 初めて実名を公表した札幌市の小島喜久夫さん(76)は、提訴後の記者会見で「すごくつらい思いを57年間してきた。私も闘っていくから、みんな出てきてほしい」と呼びかけた。