障害児 地元でぴかぴか

2018/06/14

毎日新聞 2018年4月2日

 ダウン症男児の両親と学校が協力し、障害のある子も地元の小学校に通えることを知ってもらおうとポスターを作り、障害のある子どもらの進学先を話し合う就学相談をPRする。市教委も取り組みを後押しする。

 男児は、大阪市淀川区の北中島小学校新4年生の佐々木サミュエルズ・ジェイミー君(9)で、ダウン症で知的障害がある。両親は特別支援学校ではなく同小への進学を望み、就学前に相談した。しかし当時の学校は受け入れに消極的だと感じ、一時は諦めたという。その後、市教委が仲介に入り同小に入学、友だちにも恵まれた。こうした経験から、父親のスティーブさんが「『どの子もみんな一緒に学べる』と学校が宣言しては」とポスターの制作を提案し、実現した。障害のある子も地域の小学校で学ぶことを基本とし、就学先の決定には本人と保護者の意向を最大限尊重するとの市の考え方を紹介。

 3月まで同小の教頭だった市教委の坂幸之介・教務部管理主事は「ポスターは当時の反省をふまえた学校の決意表明でもある。周りの子どもたちがジェイミー君から学ぶ姿も見られるようになった」と話す。

 ジェイミー君はポスターを見ると笑顔を見せる。母親の純子さんは「ハンディがあっても地域の子どもたちと一緒に育つ子が一人でも増えてほしい。誰もが生きやすい社会を作る一歩になる」と話す。