ともに・2020バリアーゼロ社会へ  インクルーシブ教育考えるシンポより

2018/06/13

毎日新聞 2018年3月9日

 障害の有無にかかわらず、すべての子どもが地域の普通学級で学ぶインクルーシブ教育の先進地である大阪府豊中市で「第16回インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」(毎日新聞社、豊中市教職員組合主催)が先月17日明、約150人が参加した。

 第1部では、堀家由妃代・仏教大准教授(障害児教育)が講演、第2部は障害のある当事者や、保護者、教員らが討論した。

 堀家さんは、インクルーシブ教育で必要とされる「合理的配慮」は特別な支援ではなく、社会の側が調整することで、それには人権感覚と対話が必要だという。「〇〇してあげる」という、当事者の意思を無視して干渉することになってはいけない、本当に当事者の視点に立っているのか再検討してほしいと語った。障害の有無で学ぶ場を分けるのは差別であり、障害のある人の行きづらさには社会の側に問題があると考える「社会モデル」の見方が大切、小さいときから「共にいる」環境をつくるのが大切だが、大人になってからでも遅くはない、障害のある人がいることが普通という環境の維持を、と訴えた。

 第2部の討論では、それぞれの立場から、障害があろうとなかろうと自分の生き方を選ぶ権利がある、合理的配慮を名目に合理的「排除」をしてはならない、共に学べば仲間を思う心は育つ、などと語られた。