障害児の療育 母も子も笑顔

2018/04/13

朝日新聞 2018年4月12日

 神奈川県相模原市の岡村絵美さんが、6歳の長男と通っていた障害児の療育施設での体験を紹介。

 2歳の時に、言葉が出ず視線も合わない長男明槻(あつき)君は、知的障害があるとわかり、療育施設「第一陽光園」に通うことになった。療育とは、障害のある子どもが、社会性や日常生活での自立を目指すために行うもの。

 はじめての園に、暗い印象を抱いた絵美さん。明槻くんが慣れない場所に行くことをいやがって登園バスに乗るにも泣き叫ぶこともあり、不安が広がった。しかし、保育士たちが絵美さんの思いを変えた。明槻君のさまざまな行動を,保育士たちはとがめたり否定することなく、にこやかに「今は、そういう気分なんだよね」「何か不安があるのかな」と明るく声をかけた。園に入る前、明槻君の行動が「わからない」と途方に暮れることが多かったが、何かしら本人なりの「意思」があることを教えてもらった。

 似た境遇で子育てをしている母親たちとも知り合った。「こんなときどうしてる?」「うちも困った時期があったよ」などとやりとりできる仲間も支えになった。絵美さんは感じる、「園に育ててもらったのは、親である私の方だったのかもしれません」