強制不妊 政府全国調査へ

2018/03/16

朝日新聞 2018年3月16日

 旧優生保護法(1948~1996)の下で、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などと診断され、都道府県の審査会で適当とされた人たちに不妊手術が強制された。被害者は少なくとも1万6475人に上る。政治決着に向けて超党派の国会議員連盟と、自民、公明両党のワーキングチームが相次いで発足した。近く厚労省に実態調査を求め、それを受けて政府が全国的な調査に乗り出すことになった。

 被害を特定する資料は、すでに処分されたものもあって少ないため、被害の全容解明には壁があり、調査後の認定基準作りも難航しそうだ。

 優生保護法は「遺伝性難聴またはろう者」も本人同意が不要な不妊手術の対象としていた。全日本ろうあ連盟も被害の実態調査に乗り出す。47都道府県の加盟団体などを通じ、中絶や不妊手術を受けたと思われる人を対象に聞き取り調査を行い、6月をめどに結果をまとめ、国への補償や謝罪の要求、提訴など被害者の支援に取り組む考えだ。