そばにいるよ  苦しむ子に経験伝え 「場面緘黙症」の経験を歌う 若倉 純さん

2018/02/02

毎日新聞 2018年1月17日

 小学3年から大学に入学するまで、特定の場面でことばが発せなくなる「場面緘黙症」だった。家では普通なのに学校へ行くと話せなくなった。理由がわからなかったが、5年前にそれと知った。その経験をシンガーソングライターとして伝えている。昨年10月「緘黙の歌声」でCDデビュー。ライブでも手応えを感じている。他にも、コミュニティー放送局の「FM世田谷」で月1回、インターネットのツイキャスでも隔週、情報発信している。

 緘黙症を知るまで「自分は臆病で情けない」と感じていたが、少しずつ自責の念が薄れてきた。それでも「克服できたというのとは違う、経験を積んで適応してきた」と話す。今、一番歌ってみたい場所は「学校」。昔の自分と同じように、声を出したくても出せず苦しんでいる子どもがいるからだ。