国会バリアフリー 50点

2018/01/07

毎日新聞 2017年12月18日

 障害者差別解消法の対象となっていない立法府・国会で、バリアフリー化は進んでいるのか。11月28日午後、視覚障害者で元参院議員の堀利和さん(67)とともに東京永田町を歩き、国会内で開かれた集会に参加した。

 地下鉄永田町駅から衆院第1議員会館までの歩道には点字ブロックが続く。玄関付近では警備員が、白状を持つ堀さんの手を引き館内へ案内。「対応は昔よりよくなっている」と堀さん。衆参両院は障害者差別解消法に沿って職員向けに「対応要領」を策定し、障害者への「合理的配慮」提供するよう定めている。

 議員会館は2010年の建て替えで、フロアに段差はなくなっている。しかし、受付を過ぎると点字ブロックはなく、視覚障害者が一人で歩くのは困難だ。

 この日の「バリアフリー法改正に向けた集い」には300人超が参加、車いす利用者も多かった。堀さんは、「当事者の議員がいてほしい」と漏らした。

 堀さんは旧知の議員がいる4階に向かった。エレベーターのボタンに点字表示があるのを確認すると。「エレベーターまでの行き方がわからないのに、ちぐはぐ」と苦笑し、新しい会館について、「全盲の人が1人で歩くには100点満点の50点くらい」と評した。