デフリンピック 聴覚障害者のスポーツの祭典

2017/08/03

朝日新聞 2017年7月26日

 サッカー・西大輔選手は徳島市出身で、生まれた時から耳が聞こえず、補聴器をつければかろうじて音を感じる。3歳でサッカーを始め、今年Jリーグの下のアマチュアリーグ最高峰JFLのヴェルスパ大分に入団した。
 補聴器を付けてプレーしていたが、中学2年のころ全体のプレースピードが上がり意思疎通が難しくなった。 「何もいらないから聞こえる耳がほしい」と弱音を吐いたこともあった。しばらくすると、「聞こえんけん、もっと強くなったらすごいことよな」と口にするようになった。
 今年5月、デフリンピック代表チームに合流、自分よりすごい選手がたくさんいた。初めは手話ができず、選手たちの会話や監督の指示を理解できなかったが、今は手話も覚え、身振り手振りでやりとりする。
 初めてのデフリンピックは、予選リーグ敗退だったが、「4年後は中心選手になって、チームを勝利に導きたい」と誓ってピッチを去った。

 水泳では、200メートル自由形・藤原慧(さとい)選手が銀メダルを、男子400メートルメドレーリレーで銀、男女混合400メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得した。自転車女子クロスカントリーで、早瀬久美選手が2大会連続の銅メダル、卓球女子ダブルスでも、亀沢理恵選手と川崎瑞恵選手のペアが銅メダルを獲得した。