子育て親子 不安取り除いて吃音対応

2017/07/23

毎日新聞 2017年7月13日

 言葉に詰まったり、どもったりする「吃音」は幼少期に発症するケースが多いが、子どもにどう接すればいいのかわからないという保護者も多い。名古屋市緑区で5月、吃音症状のある子どもの保護者らを対象に「きつおん子育てカフェ」が開かれた。2015年から始め、今回は10回目。主催はNPO法人きつおんサポートネットワーク。代表理事で言語聴覚士の横井秀明さん(34)は「子どもの吃音は、その子への対応だけでなく、周りの大人の不安を取り除くことも重要」と意義を話す。
 吃音を持つ子どもへの対応では、どもっていても話を最後まで聞き、話し方ばかりにとらわれず、内容に耳を傾け、子どもの話したいという意欲と自己肯定感を高めることが必要だ。横井さんは「まずは吃音があってもなくてもそのままの君でいいんだよ、としっかり伝えてあげてほしい」という。
 子どもが吃音でからかわれたり嫌な思いをしないよう、学校や保育園などに吃音に関する情報を提供し、環境を整えることも大切だ。広く話し合う場を設けるのか、周りの教諭や保護者への情報提供にとどめておくのかは、子どもと相談し、性格も考慮して判断する。
 吃音の問題を氷山にたとえる考え方がある。スムーズに話せないという症状を海面状に出ている氷山の一部とすると、水面下には、自己肯定感の低さや人前で話すことへの不安から会話を避けるなど、「吃音によって生じる生きづらさ」というさらに大きな氷が隠れているという考え方だ。幼児期にはほとんど自覚しない子も、年齢が上がるにつれて気にするケースが多い。横井さんは「症状への対処だけでなく、吃音を気にしてできないことを、吃音があってもできるようにするにはどうすればいいかを考えることが必要」と話した。