19人の犠牲 胸に刻んで  相模原殺傷事件 半年

2017/02/12

朝日新聞 2017年1月27日

 26日、かながわ県民センター(横浜市)で事件を考える集会があった。全国から障害者ら約300人が参加。

 殺人容疑などで送検された元職員の植松聖容疑者(27)は、2月20日までの予定で精神鑑定を受け、横浜地検は刑事責任能力を見極め起訴するか判断する。

 津久井やまゆり園入所者の家族会「みどり会」の大月和真会長(67)は、「これまでの普通の暮らしが戻っていない。一日も早く取り戻したい」と語った。事件後、入所者132人のうち半数以上が他の施設に移った。大月さんのもとには、園を離れた元入所者の家族から相談が寄せられる。「なじみのある職員と別れて暮らすのは相当なストレス。事件がすべてを変えた」と大月さんは言う。大月さんの長男にはけがはなかったが、8月に自宅から園に戻る際は母親の手を握りしめ、なかなか中に入ろうとしなかった。

 建て替え工事のため、入所者は今春、横浜市港南区にある県立の障害者施設に移る予定だ。大月さんは、職員の通勤の負担が増すことや、特別な目で見られることも心配だという。9月に県に提出した要望書では、職員が悩みを相談できる仕組みを作ることを求めた。「第2の植松容疑者を生まない取り組みが必要。事件を教訓に考えていきたい」