補助犬 知っていますか? 盲導犬のほかに介助犬・聴導犬

2017/02/10

朝日新聞 2016年12月19日

 身体障害者を助ける補助犬の同伴を不当に拒否する事例が後を絶たない。関係団体や国は、2020年の東京パラリンピックを前に、理解を深めてもらおうとPRしている。公益社団法人「関西盲導犬協会」の藤本喜久男さんは「理解不足は、利用者にとっても受け入れ側にとっても不幸なこと」と話す。

 身体障害者補助犬法では、盲導犬、介助犬、聴導犬の3種を補助犬と定め、公共性がある場所では原則として同伴を拒んではならないと定めている。2016年4月には障害者差別解消法が施行され、補助犬の使用者を受け入れる側は合理的配慮をすることも必要になった。しかし、盲導犬以上になじみの薄い介助犬と聴導犬は、さらに理解を得られない場面が多いという(NPO法人「日本補助犬情報センター」)。

 厚生労働省によると、全国で活動し、登録されている補助犬は、盲導犬966頭、介助犬73頭、聴導犬64頭(2015年度末)。10年前に比べ、介助犬は2.4倍、聴導犬は5.8倍に増えた。いずれの補助犬も、訓練を受け一定水準をクリアして補助犬となる。使用者は犬の健康や清潔さを保つことが義務付けられている。

 実際に仕事中の補助犬を見かけたら、声をかけたり、食べ物をあげるなど注意を引く行為は厳禁、そっと見守る。使用者には、何か手伝うことがないか尋ねる。厚労省は、こうしたルールを知ってもらおうとするイベントを開催した。2017年1月には、東京パラリンピックに向けて、衆院議員会館で「ほじょ犬サミット」が開かれる。事務局の社会福祉法人「日本聴導犬協会」会長の有馬もとさんは「来日する補助犬は普段より多いと見込まれる。それまでに認知度を上げたい」と意気込む。