聴覚障害者発 支援の手引

2016/11/09

朝日新聞 2016年10月9日

 NPO法人「MAMIE」(大阪市淀川区)代表の安藤美紀さん(47)は漫画家で、災害時の支援マニュアル「聴覚障害者の災害時に困ることって?」と題した約10分間のアニメを制作、3月末にYouTubeに公開した。アクセスは半年あまりで6万6千件を超えた。アニメでは、自身の体験や東日本大震災時の話をもとに、障害者が直面しやすい危険や苦労を紹介している。

 安藤さんは生まれつき聴覚に障害がある。子どものころの絵カードや絵日記がきっかけで描画が好きになり、17歳で少女漫画雑誌の新人漫画賞の努力賞に選ばれた。2004年にMAMIEを作り、障害児向けのパソコン教室を開いたり、聴覚障害や聴導犬への理解を促す漫画を描いたりしてきた。約2年前から地元の社会福祉協議会とともに、聴覚・視覚障害者向けの支援マニュアルを漫画にして無償で配布、より広めようとアニメを作った。

 熊本地震の被災地でもアニメは評判になった。マニュアルも約3千部が配られた。安藤さんは「障害がある人、ない人両方に読んでもらいたい。障害がある自分だから×漫画を作っていきたい」と話す。アニメはMAMIEのホームページでも閲覧できる。