「障害者」×「感動」 その先は

2016/10/05

朝日新聞 2016年10月4日

WEB RONZA

 障害者の姿を「感動的」に描くチャリティー番組の手法に、NHK・Eテレの「バリバラ」が疑問を投げかけ、話題になっている。

 「『バリバラ』が示した障害者の『笑い』の力」(WEB RONZA 9月23日)で、大阪大大学院人間科学研究科教授の木村涼子さんは、障害がある人々を可視化してきた点や、ハンディを背負った人々を「包摂」する社会をつくるという点においては、日本テレビ系の「24時間テレビ『愛は地球を救う』なども大きな役割を果たしてきた」と評価する。

 そのうえで、「24時間テレビ」を批判してスカッとする人たちの気持ちの中に、「もうこれ以上障害者に配慮したくない」といった差別・排除の欲望が紛れ込んではいないだろうか?と問題提起する。

 「障害者」×「感動」という方程式を超えるその次のステップをどうすべきか、重い課題だ。