
広がる出生前診断 開始から3年半 受診者3万人超
朝日新聞 2016年10月28日
妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断が臨床研究として始まって3年半。全国70病院が参加している。希望者は事前のカウンセリングを経て、検査を受けるか決める。
診断は結果が出るまでに2週間かかり、「陽性」と出て人工中絶を希望する場合、決断まで時間の余裕がない。希望者が検査精度の解釈や羊水検査のリスクなどを誤解していることも珍しくない。14年2月に臨床研究に参加した広島大病院では、結果をどう受け止めるのか、あらかじめ夫婦で考えてほしいと、個人カウンセリングの前に独自の説明会に参加してもらう。障害にはそれぞれの特徴や個人差があるが、「育てるのが大変」「つらい」との思いが先立つ人も少なくない。同病院遺伝子診療部の兵頭麻希医師は「カウンセリングではどんな病気が見つかっても育てていけるようにサポートすること、悩み抜いて出した決断は尊重することを丁寧に伝えるようにしている」と話す。
臨床研究を実施する病院グループは今年9月、1年目の受診者のうち約7300人のアンケート結果を発表した。平均年齢は38.3歳で、97%が受診理由に「高齢出産」を挙げた。「家族にすすめられた」も14%あった。
参加施設の医師らからは「臨床研究の役目は終えた」として、要件を満たせば実施できる仕組みへの移行を求める声が上がる。グループ事務局の関沢明彦・昭和大教授は「カウンセリングの中心となる病院が多くの都道府県で整備されつつあり、日本産科婦人科学会で臨床研究を続けるべきか議論してほしい」と話す。専門の医師、カウンセラーの養成を今後の課題に挙げる。





