障害者「仕立てた感動 差別」

2016/09/18

毎日新聞 2016年8月29日

 NHK・Eテレの情報バラエティー番組「バリバラ」で28日夜、「検証!『障害者×感動』の方程式」と題した生放送があった。「清く正しい障害者」が頑張る姿を感動の対象にすることを「感動ポルノ」と表現し、「感動は差別だ」との障害者の声を伝えた。日本テレビ系で障害者の姿を伝えるチャリティー番組「24時間テレビ」の放映中だった。自身も障害者で「感動ポルノ」の言葉で問題提起した豪州のジャーナリスト兼コメディアン、故ステラ・ヤングさんの「障害は、体や病気よりも、私たちを特別視してモノ扱いする社会の方」との発言を紹介した。

 難病の大橋グレース愛喜恵さんが主人公の模擬ドキュメンタリーも流した。生活の大変さや前向きな姿を強調、本人の意思を無視して「感動ポルノ」に仕立てられるさまを示した。

 「障害者の感動的な番組をどう思うか?」と健常者と障害者100人ずつに聞いた調査で、「好き」は健常者45人、障害者10人だった。

 脳性まひの玉木幸則さんは番組内で、「同じ人間として怒ったり笑ったり、思いを重ねることが感動。一方的な感動の押し付けは差別だ」と話した。